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◇ 売買編 ◇
Q1:媒介契約をすると自分で買主を見つけられないの?
土地建物の売却のため、宅建業者と「専任媒介契約」を結びました。1ヶ月後、親戚が
売ってほしいと言ってきたので、媒介契約を解除しました。ところが、その宅建業者から
仲介料の請求がありました。払わなくてはいけないのでしょうか?
A1:まず、媒介契約について説明すると、宅建業者が宅地建物の売買などの仲介の依頼を
受けると依頼者との間に書面(媒介契約書)を作成し、交付しなければなりません。
「専任媒介契約」というのは媒介契約の1つです。
依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理の依頼を禁止する契約で、これによって業者間の
「抜け駆け」を防ごうというものです。
その他、他の業者に依頼できる「一般媒介契約」、自己発見取引も禁止する「専属専任媒介契約」などがありますから、媒介契約をするときはきちんと確認する必要があります。
ですから、この場合「専任媒介契約」は自己発見取引を禁止するものではありませんので、仲介手数料を支払う必要はありません。
ただし、建設省が定めた約款を使用して専任媒介契約をした場合は、履行に要した費用を
支払わなければならないとされています。
Q2:土地だけ購入したいけど、建築条件付きのところはダメなの?
先ず土地を購入して、いずれ家を建てようと考えています。
建築条件付きの土地というのがありますが、土地だけの購入ってできますか?
A2:宅建業者が土地を販売するに当たり、一定期間(3ヵ月)内に建物を建築することを
条件とする「建築条件付き土地」というものがあります。
このような場合、土地のみの販売はされません。契約形態は、土地については売買契約、
建物については建築請負契約となります。土地の売買契約後、3ヵ月以内に建物の建築請負契約が成立しない場合は、土地の売買契約は白紙となり、支払い済みの金銭は全額返還されます。また、広告によっては、建物のプラン例(間取図)を大きく掲載するなど、新築の建売住宅の広告のように見えるものもあります。
Q3:広告にある「駅から徒歩○○分」は実際に測ってるの?
よく募集の広告等に「駅から徒歩○分」と書いてますが、この「○分」は実際に歩いて
測ったのですか?また1分の基準は何ですか?
A3:不動産広告では、徒歩時間として道路距離80mを1分として計算し、1分未満の
端数は切り上げて表示されます(850m÷80=10.625→11分)。したがって、信号待ちや坂道などは考慮されていません。また、電車やバスの所要時間は運行ダイヤに
よる時間が表示されますが、待ち時間 や乗り換え時間は表示されません(待ち時間等が含まれない旨は明記されます)。
Q4:抵当権付き物件って、契約しても大丈夫?
仲介業者から中古住宅の紹介を受け、買おうと思っています。ところが、融資を依頼して
いた銀行から、この物件には抵当権がついている、との連絡がありました。
このまま契約して大丈夫でしょうか?
A4:抵当権が実行されると、その物件の所有権を失うことになります。この場合、売主に「抵当権の抹消登記」を請求し、それと引換えに代金の支払いをすればよいわけです。
抵当権を消滅させてから契約するか、契約時において一切の権利の付着していない所有権の移転を、売主に保証させる必要があります。このような権利関係を事前に知る方法として、
登記簿を取り寄せてみるのもひとつの方法です。登記簿には表題部、甲区、乙区という欄が
あって、それぞれの物件の所有地や持ち主が記載されています。抵当権等については乙区に記載されています。契約時にこうした権利関係を説明するのは、業者の義務とされていますから、信用ある業者であればきちんと説明してくれると思います。
Q5:ローンがおりなかったら売買契約はどうなるの?
2500万円の中古住宅を買うことになり契約を済ませました。
2000万円は ローンで支払う予定でしたが、実際は1800万円しか借りられず、200万円を工面できません。この場合、契約を解除できますか?また、すでに手付金として払った お金は戻ってくるのでしょうか?
A5:不動産を買う時に、いちばん気になるのは、やはり資金繰りでしょう。
現在では、全額自己資金でという方は少ないと思います。宅建業者は買主がローンを利用することを知っている場合には、事前に「ローン特約」について説明しなければならないことになっています。簡単にいえば、ローンが組めなかった時にどうするかの取り決めです。
通常使用されている契約書には、ローン特約条項として、「買主の責めに帰すことのできない事由により融資の全部、または一部について承認が得られないときには買主はこの契約を無条件で解除することができる」とあります。ですから、契約をされる場合には、この特約条項があるかないかを確認することが必要です。
この特約がなければ融資不承認になっても、契約を解除することも、手付金を返してもらうこともできなくなり、さらには、代金支払債務の不履行となって契約を解除され損害賠償請求をされることもあります。
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◇ 賃貸編 ◇
Q1:退去時の高額な現状回復費用って、払わないといけないの?
大家さんから敷金の精算書が届いたのですが、原状回復費用その他で30数万円の請求を
受けました。あまりに高額なためびっくりするのと同時に憤りを覚えました。
支払わなければならないのでしょうか?
A1:借主が借りていた住宅を退去するときは、住宅を元の状態に戻して大家さんに返す
必要があります。このことを原状回復義務といいますが、ここでいう原状回復とは住宅を
完全に入居時の状態に戻すということではなく、故意または過失で部屋を汚したり壊した
りしたほか、家主に無断で原状を変更したときに負う責任をいいます。
ですから、基本的には通常の使用によるふすま、障子、畳、壁紙などの損耗については、
入居当時の状態より悪くなったとしても、そのまま家主に返せば足りると考えられます。
自然に損耗した部分の原状回復費用は家賃の中に含まれていると考えられるからです。
しかし、契約書中に取り決めがなされている場合で軽微なものについては、慣習上の問題もあり一部借主に負担してもらうとの考えもあります。
ご質問の方のように、普通の状態で使用しており、故意過失関係なく部屋を汚したり壊したりしていないと思われるのであれば、大家さんに費用の見積書を請求して賃貸借契約の内容と照らし合わせ、支払う義務があるかどうか確認し、納得がいくまで大家さんと話し合いをされたらいかがでしょうか。
今後の問題ですが・・・
*契約時に大家さんに退去するときの原状回復の範囲と負担の方法について確認する。
*入居時に家主の立ち会いのうえ住宅の状況を確認する。
*退去するときも修繕箇所を家主とともに確認し、過失による損耗と自然損耗の区別を
はっきりさせる。
以上のようなことに注意しましょう。
Q2:アパートの借り押さえに払った金銭は戻らないの?
アパートを借りる為、いくつかかの不動産業者を訪ねました。ある店の物件が気に入った
ので、その旨を告げたところ「この物件は人気物件だから急がないとすぐに他に借り手が
決まってしまう。物件を押さえるために家賃の1か月分を差し入れてほしい」と言われま
した。そこであまり考えずに言われるとおりにしましたが、後でよく考えると日当たりが
悪く広さのわりに案外割高だと感じたので、次の日「借りるのは止めたので支払った金銭
を返して欲しい」と言ったところ、業者は「既に家主に連絡の上、契約を了解してもらっ
ており契約は成立している。金銭は手付金であるので返還できない」と言われました。
こんなことってあるのでしょうか?
A2:質問のケースでは、物件が気に入ったものの、確定的に借りたいと言ったわけでは
ないし、業者自身も手付金ではなく物件を押さえる目的で受け取ってるので、民法でいう
ところの契約の申し込みがあったと見るのは難しいと思います。
また、家主も相談者の家賃支払い能力や保証人について何も調べていない段階で承諾した
と言うのはかなり無理があるのではないでしょうか。
ですから契約が成立しているとは考えにくいと思います。家主としては手付金を収受する
権利はありませんし、業者も家主に今回の金銭を渡すべきでなかったと考えられます。
また、仮に業者が主張しているように「賃貸借契約」が成立しているとすると、業者は重要事項の説明をしておらず、また同説明書を交付していないことになり、宅地建物取引業法違反を問われるおそれがあります。
以上のことを念頭において、もう一度業者と話し合って見て下さい。
Q3:家主に無断で組織変更することは「無断譲渡」になるの?
永年個人経営でクリーニング店を営んできましたが、税金対策上の問題もあり会社組織に
変更しました。会社組織といっても社長は借家人である私で、専務は私の配偶者、息子が
課長という形だけの株式会社です。しかし、以前から私に立ち退きを迫っている家主は、
無断で個人から会社へ借家権を譲渡したのだから賃貸借契約の解除事由が発生しており、
即刻契約を解除するので出ていってくれと言います。家主に無断で組織替えを行ったのはちょっとまずかったかなと思いますが、実質はなにも変わっていません。
それでも私のしたことは家主の言うように無断譲渡になり、解約理由となるのでしょうか?
A3:法律は借主が建物の借家権を譲渡したり、転貸したりする場合は、事前に家主の承諾
が必要とされ、これに違反した場合は家主は賃貸借契約を解約して借主を立ち退かせることができると規定しています。そこで今回の個人で借りた店を法人組織にして営業する場合、会社への借家権の譲渡や転貸になるかということですが、先ほどの規定をストレートに解釈すると、当然ながら個人と法人では人格が違い、従来個人で店舗を営業していたものを会社組織に変えて営業すれば、借家権を別人格たる会社に譲渡した又は転貸したととられかねません。
しかし、今回の場合のようにその会社組織なるものが、全く形式的なもので、実態は従来通り借家人個人の営業と変わりないという場合、家主に対する背信行為がないので、家主側に契約解除権は発生しないとする判例が多数あります。ですから、家主の言い分は若干無理があるようです。いずれにしても何か契約事由に変更があれば、家主に断ってからのほうがよいでしょう。
Q4:衛星放送アンテナを、マンションのバルコニーに設置してはいけないの?
衛星放送を受信するため、バルコニーの手すりにパラボラアンテナを設置しています。
すると先日管理組合の方がみえて「共同アンテナを設置するので、個人のアンテナは撤去して下さい」と一方的に通告してきました。私のパラボラアンテナは通常より小さい方でネジだけで留めており穴などはあけておりません。また、共同受信よりも個別受信の方が画像が鮮明と聞いており取り外したくないのです。私の要求はバルコニーの通常の用法として許される範囲ではないかと思いますがいかがでしょうか?
A4:衛星放送の普及に伴い今回のような問い合わせ、トラブルが増えているようです。
マンションのバルコニーは本来共用部分なのですが、通常は居住するスペースの専有部分と一体となっており、建物部分の所有者等に専用使用権が認められています。
こういった事から、居住者がバルコニーに様々なものを置いたり、設置することにより、
管理組合とトラブルになるようです。そこで問題となるのが今回のパラボラアンテナ設置がバルコニーの使用方法で、通常の用法の範囲内といえるかどうかということです。
実はこの件に関しては判例が有り、要約すると次のように判示しています。
1. 共同パラボラアンテナが設置されれば、設置日以降衛星放送の受信が可能となること。
2. バルコニーは共用部分であり設置者はただ専用使用を許されているに過ぎないこと。
3. テレビ受信向上委員会発行「マンションでの衛星放送受信の手引き」にもアンテナの設置には「管理者の承諾が必要」と明記されていること、などから共同アンテナが設置されて以後は「バルコニーとしての通常の用法」とは言えなくなる。
以上のことから、ご質問の要望は難しいでしょう。
Q5:借家を円満に明け渡してもらうには?
来春、長男が結婚します。そこで現在賃貸している借家を明け渡してもらいたいのですが、入居しているのは先代からの借家人で、そこの息子と私は同級生で幼なじみでもあります。
このような事情もあり、なるべく円満に明け渡しをお願いしたいのですが、何かよい方法はないでしょうか?
A5:個人間の争いはなるべく避け、円満に解決したいと思うのは人情であり当然のことと
思います。ましてや相手方が幼なじみということでは、なおさらだと思います。しかし、当事者だけで冷静に話し合うことはなかなかできないことですし、仮に話し合いがまとまったとしても、そのことが実行されなければ何にもなりません。
そこでこのような問題を解決するために「調停制度」というものがあります。これは、普通の裁判のように対立する当事者の間で主張の正否を決めて解決するのではなく、お互いの意見を話し合いにより調整し、解決を図ろうとするものです。
具体的には知識や経験豊富な第三者、一般的には裁判官である調停主任と調停委員2名以上で構成された調停委員会で、当事者を斡旋して条理にかない実状に即した解決を図ろうとする制度です。当事者だけの話し合いでは、どうしても感情的になって自分の意見を冷静に相手方に伝えることができなかったり、相手方が冷静に聞いてくれなかったりして紛糾することがありますが、そのようなときは、調停委員会が間を取り持ち問題を整理して話を進めてくれます。
また、訴訟では申し立てた側の意見が正しいかどうかの判断だけですが、調停は相互の意見を出し合いある点では譲歩し、またある点では譲歩を求めるなどして解決内容を自由に決めることができます。調停の申し立ては相手方の住所地を管轄する簡易裁判所となっておりますので、詳しくはそちらでお尋ね下さい。
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